当社ではループコイル式車両検知センサーを販売しておりますが、他の方式も合わせ、その特徴を説明いたします。
ループコイル式車両検知センサー
ループコイル式は、次のような原理を利用します。
地中に電線をコイル状に埋設した状態で電流を流すと磁界が発生します。その上に車両(金属物)がくると、ループコイルのインダクタンスが変化しますので、その変化を捉え、車両の有無を検知します。
- 車両(金属物)にのみ反応し、人やその他非金属物には反応しません。
- 地中にコイルを埋設するので、ゴミやほこりの影響を受けません。
- コイルの幅を調節することで幅広い場所での検知が可能です。(4m以上可)
- 検知までの反応速度が非常に速いです。(通過検知の場合、時速100km以上での通過でも検知します)
- 金属量の多少が判別できるため、車両・バイク・自転車の車種特定ができます。(☆当社取扱いの車両判別センサーPSW-208ならではの特長です)
- 鉄以外の金属でも検知可能です
- ループコイルを2個使用すれば通過方向の判定ができます。(☆PSTシリーズには方向判定機能を標準内蔵したタイプもあります)
- コイルの埋設工事が必要です。
- コイルの下や直近に金属がある場合は検知感度に影響を与える場合があります。
磁気検知式車両検知センサー
磁気検知式とは高感度磁気センサーを用いて車体の金属部分が発する磁気を検知し、車両の有無を判断します。
- 磁化する金属(主に鉄)のみに反応し、人やその他非金属物には反応しません。
- センサー自体が小型であり、設置工事が楽です。
- ゴミやほこり、雨、雪などには一切影響されません。
- センサーを2個使用すれば通過方向の判定ができます。(☆別途判定用の機器が必要です)
- 磁化しない金属(アルミ、一部のステンレスなど)には反応しません。
- センサー自体が小型のため、検知範囲が比較的狭くなります。(直径0.5m程度まで)
- ある程度小型の金属物がセンサーの直近に来ると反応する可能性があります。
光電式車両検知センサー
光電式とは光を射出し、その光の反射により物体があることを検知する反射型と、射出された光を受光部で受けておき、その間を物体がさえぎることにより検知する透過型があります。いずれも光を出す射出部と光を受ける受光部が必要です。赤外線を使ったセンサーが一般的です。紫外線やレーザーを使ったものもあります。
- 埋設工事が必要ないため、比較的工事が簡単で取付しやすい。
- 反応速度が高速です。
- センサーを2セット使用すれば通過方向の判定ができます。
- 人にも反応します。
- ゴミや雨、雪、虫などに反応し誤動作することがあります。
- 射出部または受光部が汚れると誤検知するため清掃等のメンテナンスが必要です。
- 反射型は車両の色によっては光が吸収され検知できない場合があります。
- 射出部と受光部の間に障害物がくる場合は使用できません。
超音波式車両検知センサー
超音波方式は超音波を発信して反射されてくる超音波を受信することにより物体を検知します。光電式と同様に超音波の発信部と受信部が必要です。
- 埋設工事が必要ないため、比較的工事が簡単で取付しやすい。
- センサー1個あたりの検知範囲が光電式よりも広い。
- 人や車両以外のものに反応します。
- ゴミや雨、雪、虫などに反応し誤動作することがあります。
- 送信部または受光部が塞がれると誤検知しますので、清掃等のメンテナンスが必要です。
- 反応速度が他の方式に比べて遅い。
照度式車両検知センサー
照度検知式は車両によって外光が遮断され暗くなることで検知します。つまり明るい時は車両なし、暗くなると車両ありと判断します。
- センサー自体が非常に小型で取付しやすく、周辺機器などへ内蔵することが可能です。
- 夜でもある程度の明るさがある場所でしか使えません。
- ゴミや積雪でセンサー部分を塞がれると誤動作します。
- 太陽光などが射し込むことで誤検知する場合があります。
- 照度検知部が汚れると誤動作しますので、清掃等のメンテナンスが必要です。
- 通過検知には使用できません。
各方式の特徴一覧表
車両検知の各方式の特徴を一覧表にまとめてみました。
埋 設 工 事 |
雨 ・ 雪 |
ゴ ミ ・ 汚 れ |
周 辺 金 属 ・ 磁 気 |
人 の 検 知 |
反 応 速 度 |
通 過 検 知 |
指 向 性 |
メ ン テ ナ ン ス |
検 知 範 囲 |
|
ループコイル式 | × | ○ | ○ | △ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
磁気検知式 | △ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | △ |
光電式 | ○ | × | × | ○ | × | ○ | ○ | × | × | ○ |
超音波式 | ○ | × | × | ○ | × | × | × | × | × | △ |
照度検知式 | ○ | × | × | ○ | × | × | × | × | × | × |
- 埋設工事…○不要、△状況により必要、×必要
- 雨・雪・ゴミ・汚れ・周辺金属・磁気…○影響なし、△やや影響あり、×影響あり
- 人の検知…○検知しない、×検知する
- 反応速度…○速い、×遅い
- 通過検知…○検知可能、×検知不可
- 指向性…○なし、×あり
- メンテナンス…○基本的に不要、×定期的に必要
- 検知範囲…○広い、△やや狭い、×狭い
<車両検知センサーの選定にあたって> 当社では車両検知センサーの選定に関して次のように考えております。 車両を検知するという目的であれば、やはり金属物だけに反応する「ループコイル式」か「磁気検知式」がお薦めです。 ただ、路面上に埋設あるいは取り付け工事が可能な場所であることが条件で、さらに取り付け場所の直近に大きな金属物がある場合や、磁気を発する機器がある場所などでは検知に影響がないか注意する必要があります。 埋設工事ができない場所では他の方式を使用するしかありませんが、この場合は清掃などの定期的なメンテナンスが必要であると考えなくてはなりません。 監視する道路幅が広いなどの検知範囲が広い場合は、「ループコイル式」か「光電式」が適しています。 状況やコストなど、細かい条件で適したセンサーを選ぶ必要がありますので、お悩みの場合は、よろしければご相談ください。 |
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